日本経済

2017年11月13日

【三橋貴明】共犯者育成プロパガンダ

From 三橋貴明

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犯罪的な現実について
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小学館「財務省が日本を滅ぼす」では、
財務省が緊縮財政路線を推進する際に
用いている各種プロパガンダについても解説しました。
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具体的には、以下になります。

●ルサンチマン・プロパガンダ:
人々のルサンチマンに訴えかけ、
「敵」を攻撃することで国民の留飲を下げ、支持を得る

●恐怖プロパガンダ:
人々の恐怖を煽り、思考停止に追い込む

●「木を見せ、森を見せない」:
いわゆる針小棒大。一部の悪しき事例のみを
クローズアップし、それを理由に全体を否定する

●用語の変更:
文字通り、言葉を言い換えることで、
人々に本質を理解させないようにする

●抽象表現の多用:
抽象的な表現を使うことで、人々に
「何となく」納得感を与え、事実を隠蔽する

●既成事実化:
虚偽情報を繰り返し報じることで、人々に事実として認識させる。
ナチスの宣伝担当相だったヨーゼフ・ゲッペルスの
「嘘も百回言えば真実になる」という言葉は有名

●レッテル貼り:
攻撃対象を悪しき印象を与える呼称で呼び、
発言や人格の信用を失墜させる

●権威の利用:
人々の信用が高い組織、あるいは人物に
語らせることで、嘘に信憑性を持たせる

●藁人形(ストローマン)戦法:
攻撃対象の発言を曲解もしくは捏造し、
「あの人はこんな人だ!」といった
印象操作により、信用を喪失させる

実は、上記以外にも一つ、財務省が
多用するプロパガンダ手法があるのです。

すなわち「共犯者育成プロパガンダ」になります。

原泰久の「キングダム」の第415話「反乱兵の作り方」では、
別に秦王に歯向かう気などなかった
秦軍の兵士たちが、樊於期により
「反乱兵」に仕立て上げられます。

具体的には、投降兵を殺させ
(殺さない場合、自分が死ぬ)、
後に引けない立場へと秦兵を
追い込んでいくのです。

財務省は、政治家や学者、経済人、ジャーナリスト、
評論家に「ご説明」し、マスコミに対しては
記者クラブ財政研究会を利用し、

「日本は国の借金で財政破綻する」
「日本はプライマリーバランス黒字化しなければならない」

などとメディアで発言させます。

一度でも、財政破綻論に与してしまうと、
もはや「共犯者」というわけで、言論人もメディアも、
日本の財政破綻など「あり得ない」という
正しい情報を二度と発信できなくなります。

それどころか、「自分の発言は間違っていなかった」と
思い込む認知的不協和に陥り、
正しい情報を発信する勢力(つまりは我々)を
「攻撃する」という行動にでるケースすらあります。

結果的に、財務省は何もしなくても
反・緊縮路線が潰され、緊縮路線が
「当然の話」として国民の間で共有されていく。

人間は、なかなか「自分が間違っていた」
ということを認められません。

財政破綻論者が反・緊縮路線に転じ、
正しい情報の発信を始めた例は、
本当に極わずかです。

財務省の官僚たちは、経済については
全く知識がない割に、プロパガンダ手法
については熟知しているようです。

プロパガンダとは、特定の政治的意図に基づき、
情報を歪める、あるいは発信することです。

日本を亡ぼそうとしているのは、
単なる情報であることが、改めて理解できます。

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【三橋貴明】共犯者育成プロパガンダへの3件のコメント

  1. dai より

    いつも勉強になります。
    これは心理学の問題なんだなーと改めて思います。

    >財政破綻論者が反・緊縮路線に転じ、
    >正しい情報の発信を始めた例は、
    >本当に極わずかです。

    ホントですね。
    橋本改革後は、橋本元総理自身が総裁選で過ちを認める発言をしてましたが、メディアは総スルーで小泉氏が誕生。

    小泉氏の時は、有名な方で言えば、中谷巌氏が過ちを認める発言をしましたが、これもまたスルー。

    あれからどれだけの時間を浪費したことか・・。
    もう辟易します。

    現実が妄想を打ち破るだろうと楽観的に構えてましたが、まさか妄想を信仰(教義)にまで高めて、不都合な現実は否定・無視して、自己完結の域にもっていくとは・・・・。

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  2. たかゆき より

    mund therapie

    太古の医学界には
    ムンテラかます という
    業界用語が存在したとか、、

    財務省の面々も ムンテラの達人のようです
    が、、、
    オラは騙されねえだ。。

    騙されたと 気づいた 国民が
    モンペ (monster people) となり
    彼等に 牙をむくサマを 
    一日も早く 目の当たりにしたいもので
    ございます。。。

    モンペって 怖いですよ~~
    目が すわってますから!!

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  3. メイ より

     こういう手法って、ネット言論の世界で頻繁に見られます。
     私自身も、洗脳に気をつけなければいけませんね。
     財務省が実際そんなにひどいのかどうか、裏が取りづらいし、彼らは反論が難しい立場でしょうから、正直判りません。
     ただ、政治の責任はまず、政治家が負わなければいけないと思いますし、そのトップにいる安倍晋三氏の責任が最も大きいのでは。
     政府がどう取り繕っても、国の状況は良くなっているとはとても言えませんし、かなり苛立っている人は増えているのではないでしょうか。
     三橋さんが意図しているかどうかは別として、財務省の陰謀?みたいなご意見は、木下の陰謀論を仰ってた方々と、ちょっとかぶるし、安倍さんに向けるべき反論の矛先をそらしてしまう結果になるかもしれませんよ。
     「日米合同委員会」については、本も出ているようなので、知る人が増えたと思いますが、問題は財務省だけでは無いように思っております。国全体の問題、というか・・。
     財務省というのは、最後の最後まで政権を守るような立場にあると、聞いた事がありますが、今の総理の元では、気の毒に思う事すらあります。 
     官僚の中には、前川喜平氏のような人格者がまだまだいらっしゃると信じていますし、そのご苦労に対し感謝しています。
     

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